本研究課題は、本邦4都市(北海道・東京都・山口県・沖縄県)の4季にて、喘息体質者の運動(6分間のフリーランニング)時の肺機能変化を評価することであった。 本研究から幾つかの知見を得た。まず、4都市の各季節でみられた気象・環境条件の違いは、都市間の喘息体質者の安静時肺機能の差に影響を及ぼす可能性が考えられた。また、3都市の夏季では喘息体質者の運動後の肺機能低下はみられず、春季や秋季、特に冬季で顕著な低下がみられ仮説通りの結果であった。しかしながら、北海道では、運動後の肺機能が回復する事例を複数観察でき、意外性が高い結果であった。降雪による大気汚染物質の湿性沈着が考えられ、検討意義が示唆された。
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