研究課題/領域番号 |
15K16518
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
栗田 宜明 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80736976)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サルコペニア |
研究実績の概要 |
臨床疫学的手法を用いた、フレイル・サルコペニア診断の支援ツールの開発: 特定市町村の地域で行われている健診セッティングでスクリーニングを行ったところ、サルコペニアの該当者がいなかった。そこで今年度は、運動器疾患患者が通院する病院で調査研究を行うこととした。 1.サルコペニアの診断をサポートするための項目プール作成:内科・尺度開発・理学療法士の専門家が集まって、サルコペニアの診断をサポートするのに有用な質問の項目プールを作成した。全部で23項目のリストアップを行った。 2.サルコペニア・筋肉量減少の患者を対象としたインタビュー調査:運動器疾患で通院中の179例の中でサルコペニア・筋肉量減少に該当する患者19例(サルコペニア6.1%、筋肉量減少4.5%、合計10.6%)のうち、4名を対象に、サルコペニアに起因すると考えられる生活障害について半構造化インタビューを行った。1.で作成した23項目以外に、新たに抽出された生活障害はなかった。 3.項目プールの翻訳・逆翻訳作業:2名のバイリンガルと会議を行い、1.で作成した23項目の日英変換・逆変換の作業と、既存の英語の質問票を英日変換・逆変換する作業を行った。内容を吟味して項目の微修正を適宜行った。 4.本調査の開始:サルコペニアを質問紙で診断サポートするための研究を開始した。当初の計画通り、質問票・身体計測・血液検査データを収集している。現時点で24名まで実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度のフィールド調査で、サルコペニアの該当者がいなかったため、計画を変更して、1年遅れて研究の実施をしたためである。
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今後の研究の推進方策 |
初年度のフィールドでは、サルコペニアの該当者がいなかったが、2年目のフィールドでは、サルコペニアのが一定割合いることが確認できたため、このフィールドで本調査を継続して、質問紙で診断サポートするための研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度のフィールド調査の実施後に、想定外にもサルコペニアを捕捉するために別のフィールドでの再調査での検討を要したため、当該調査に係わる旅費・人件費がほとんど生じなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、運動器疾患の患者を対象とした、本調査がすでに始まっているため、当初の計画通りの症例集積が期待される。従って、当該調査に係わる旅費・人件費・謝金を支出する予定である。
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