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2018 年度 実績報告書

臨床疫学的手法を用いた地域行政向けフレイル・サルコペニア発症予測支援ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K16518
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

栗田 宜明  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80736976)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードサルコペニア / 診断精度 / SARC-F / SARC-F+EBM / 臨床疫学 / 予測ツール
研究実績の概要

1. SARC-F質問票の診断精度の検証と、新たな診断ツールの開発
サルコペニアのスクリーニングで用いられるSARC-F質問票を検証し、"EBM"(ElderlyとBMI)の追加による診断精度の改善を調べた。運動器変性疾患959名を対象とした。インデックス検査はSARC-F質問票および、これに"EBM" (Elderly 75歳以上、BMI 21kg/m2以下)を加えたスコアリング法(最高30点)とした。サルコペニア検出の感度・特異度・AUCを推定した。EWGSOP2基準のサルコペニアの診断に対する感度・特異度は、SARC-F(4点以上)では47.4%・68.4%、SARC-F+EBM(12点以上)では84.2%・68.8%であり、SARC-F+EBMの感度が優れた(P=0.008)。AUCはSARC-Fでは0.56、SARC-F+EBMでは0.88であり、SARC-F+EBMのAUCが優れた(P<0.001)。参照基準がAWGS基準でも、結果は同様であった。

2.単一質問によるサルコペニアのスクリーニング法の開発
単一質問による診断方法を開発し、診断精度を検証した。参照基準として、AWGSの定義によるサルコペニアを選んだ。運動器変性疾患498名を対象に、インデックス検査として17項目の質問の回答を求め、それぞれの特異度(Sp)と陽性尤度比(LR+)を推定した。17項目のうち診断性能が優れていた質問は、「ドアを開けるのが大変に感じる」(Sp 96%, LR+ 4.2)、「雑巾をしっかり絞れない」(Sp 91%, LR+ 3.2)、「お風呂の桶でお湯がたくさんすくえない」(Sp 91%, LR+ 2.7)であった。これらの質問で、サルコペニアの診断(rule in)を高精度で行える可能性がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] SARC-F validation and SARC-F+EBM derivation in musculoskeletal disease: the SPSS-OK study2019

    • 著者名/発表者名
      Kurita Noriaki、Wakita Takafumi、Kamitani Tsukasa、Wada Osamu、Mizuno Kiyonori
    • 雑誌名

      The Journal of Nutrition, Health & Aging

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of the severity of knee osteoarthritis on the association between leg muscle mass and quadriceps strength: the SPSS-OK study2018

    • 著者名/発表者名
      Wada Osamu、Kurita Noriaki、Kamitani Tsukasa、Nakano Naoki、Mizuno Kiyonori
    • 雑誌名

      Clinical Rheumatology

      巻: 38 ページ: 719~725

    • DOI

      10.1007/s10067-018-4337-2

    • 査読あり
  • [学会発表] 変形性関節症におけるクレアチンキナーゼ値はサルコペニアを予測する:SPSS-OK研究第2報2018

    • 著者名/発表者名
      栗田宜明, 和田治, 紙谷司, 水野清典
    • 学会等名
      第60回日本老年医学会学術集会
  • [学会発表] 変形性膝関節症の重症度が下肢筋量による大腿四頭筋の筋力発揮を減弱させる:SPSS-OK研究第3報2018

    • 著者名/発表者名
      和田治, 栗田宜明, 紙谷司, 水野清典
    • 学会等名
      第6回日本運動器理学療法学会学術大会
  • [学会発表] 手術を要する運動器変性疾患でのSARC-F質問票のサルコペニア診断能:SPSS-OK研究第4報2018

    • 著者名/発表者名
      栗田宜明, 和田治, 紙谷司, 脇田貴文, 水野清典
    • 学会等名
      第5回サルコペニア・フレイル学会大会
  • [学会発表] サルコペニアの簡易スクリーニングツールの開発と整形外科疾患での診断性能の検証2018

    • 著者名/発表者名
      紙谷司, 和田治, 栗田宜明, 脇田貴文, 水野清典
    • 学会等名
      第5回サルコペニア・フレイル学会大会
  • [備考] SARC-F日本語版:サルコペニアのスクリーニングのための質問票

    • URL

      https://noriaki-kurita.jp/resources/sarc-f-jpn/

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公開日: 2019-12-27  

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