食生活由来の生活習慣病を予防するためには、摂取する脂肪の“量”とともに“質”が重要である。本研究では若年男性被験者を対象とし、高飽和脂肪酸食(高パルミチン酸)と比較し高一価不飽和脂肪酸食(高オレイン酸)の摂取が24時間の脂質酸化量を有意に増大させた。加えて、夕方から入眠初期(19:00-2:00)の深部体温を低下させ、睡眠第一周期の深睡眠を有意に増加させることを確認した。日常的な睡眠の質の低下は生活習慣病を引き起こすリスクファクターであると報告されている。そのため飽和脂肪酸の過剰摂取は脂質酸化量を低下させることに加え、睡眠の観点からもそれらの疾患誘発に拍車をかけている可能性が示唆された。
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