脳虚血ストレス負荷後の肝臓における insulin 感受性の低下を介した糖新生の亢進による血糖値上昇が、orexin-A の視床下部内投与によって抑制されることが明らかとなった。さらに、これらの作用が、肝臓枝迷走神経の切除によって有意に肝臓に対する効果が消失したことから、orexin-A による中枢領域(視床下部)から末梢組織へのシグナル伝達に延髄から投射している迷走神経が関与していることが示唆された。また、脳虚血の肝臓における炎症性サイトカインの誘導は、肝臓での糖代謝異常の発現に関与し、それは、視床下部のorexin-A による迷走神経の活性化によって制御できる可能性を明らかにした。
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