精神疾患を合併した母から出生した児において何らかの発達の問題がみられることが多い。それはその後の親による虐待や児の非行など社会的な問題にもつながるとされている。今回は精神疾患を合併する母から出生した児において、乳児期早期から客観的に評価できる近赤外線組織酸素モニタ(NIRS)、視線追跡装置を組み合わせて測定することにより、非侵襲的に児の脳機能の発達状態を評価した。今回の研究期間内での計測評価では、精神疾患の母から出生した対象児においてントロール群と比べて明らかな脳循環のゆらぎの発達についての相違はなく、視線追跡装置による評価でも明らかな選好性の違いはみられなかった。
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