研究課題/領域番号 |
15K16543
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
安彦 智史 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助手 (90560475)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | サイバーパトロール / 違法・有害情報 / CGM / スマートフォン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,携帯機器を対象としたサイバーパトロールの支援を進めることと定義しており,サブテーマを以下としている.a)携帯機器を対象としたアプリのCGMを解析し,危険度の高いウェブサイトやアプリを明らかにする.b)危険度の高いアプリの特性を解析し,各種条例と照らし合わせた細分化を行う.c)時系列によるアプリの危険度変化を可視化し,その傾向について明らかにする. H27年度は,研究実施計画書にあるように,a)b)に該当するサイバーパトロール活動の実態調査とネット上の各サービスにおけるCGMの調査を行った.特に2012年度から2014年度にかけて10倍以上の被害が挙がったID交換掲示板については重点的に調査を行い,実際にサイバー犯罪を取り締まっている神奈川県警や,被害者の民間窓口となるインターネット違法有害情報相談センターにもヒアリングを行い,対策を検討した. そして,調査結果とID交換掲示板の特性から新しい解析アルゴリズムを考案し,H28年3月に言語処理学会で発表を行った. また,本内容の啓蒙活動として,田園地区民生委員との打ち合わせを行い,ID交換掲示板の注意喚起を行うとともに,神奈川県警と連携した講演「あなたのパソコン,スマホは大丈夫??サイバー犯罪の手口を知って備えよう!!」を開催している. 現在,H27年度に考案したアルゴリズムを元にシステム化を行っており,H28年度では,開発システムから得られた情報を継続的監視することより,c)である時系列による有害アプリの危険度の推移を可視化する.また,システムの検証,改善,最適化を進めると共に,研究成果の公開と研究全体の総括を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要にも記載した通り,本研究目的であるa),b)について既に調査を終えており,有識者とのヒアリングを行った後,研究成果「ID交換掲示板における書き込み有害性評価に向けた隠語概念化手法の提案」として公開している. H27年度研究計画に記載したシステムの要件定義とプロトタイプシステムの開発も既に終えており,本システムもH28年5月に完成する予定である.
そのため,「(2)おおむね順調に進展している。」とする.
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今後の研究の推進方策 |
計画調書にあるとおり,H28年度では,H27年度から開発しているシステムの実践投入を行い,システムの検証,改善,最適化を進める. また,本研究の内容は情報化社会における重要な課題の一つであるため,情報公開の場をより多く設置し,より広い認知が得られるように努める.
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次年度使用額が生じた理由 |
①研究補助として予定していた人件費について雇用を行わなず,学生の指導という形で共同研究を行ったことにより,差額が生じている.
②研究発表は行ったが論文誌としての公開を行わなかったため,予定していた印刷費の分差額が生じている.
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度は開発システムの実践投入を行い,研究成果の発表を行うことに重点をおいている. そのため,システム開発における人件費の一部として使用する予定である.
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