本研究では,中学・高校生を対象として,平日と週末で睡眠相が乖離している生徒の睡眠習慣を把握し,日中機能との関連を検討した上で,睡眠教育プログラムを開発し,その短期的・長期的効果を検証することを目的とした。その結果,睡眠相が乖離している生徒では,習慣的に就床時刻が遅く,平日は睡眠時間が短かったが,週末は睡眠時間が長かった。起床時刻の乖離は,睡眠不足,日中眠気,イライラや学業成績の低さと関連した。睡眠教育プログラムの結果,睡眠教育群では,睡眠知識や睡眠促進行動が向上し,睡眠時間が改善した。その効果は3ヶ月後も維持していた。以上より,本睡眠教育プログラムは,睡眠習慣の改善に有効であると示唆された。
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