遊びに注目してチンパンジーとヒトの比較をおこなった。環境に関心を持って主体的に働きかけることで多様な遊びと学びが見られる点は両種に共通していたが、協同遊びや遊びの支援などはヒトにのみ見られた。また、年下の遊び相手への配慮や、相手を笑わせる働きかけなど、遊びにおける利他性・共感性にも共通点があった。以上を踏まえ、遊びを通した学びや発達を保育者はどう援助すべきかを考察した。また、チンパンジーの遊び研究で得られた知見を踏まえて、自然体験を重視する「森のようちえん」の保育の課題と展望をまとめた。さらに、ショーやテレビに出演する飼育チンパンジーの遊びと笑いについて動物福祉の観点から分析した。
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