皮膚バリア異常は魚鱗癬、アトピー性皮膚炎、乾燥肌を引き起こす要因となる。特に皮膚バリアに特化したアシルセラミドは脂質全体の約8%程度にも関わらずその合成不全は重篤な皮膚疾患を引き起こす。しかし、アシルセラミドの治療薬としてのポテンシャルや一部の生合成経路は未解明のままであり、それらを化学的に解明するためには十分な量が必要となる。本研究はアシルセラミド分子のなかでも最も多く存在するC34:1あるいは最長のC36:1の超長鎖脂肪酸を含有する分子種の効率的な全合成を達成した。またω-OHセラミドとリノール酸のアシル化酵素解明のために光アフィニティープローブの合成を実施した。
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