従来技術では、生きている細胞内でどのような分子が会合しているかを解析できなかった。本研究では、申請者が独自に開発した「HRP 発現型・高特異性 EMARS 法」を用いて、各種オルガネラ膜上分子アッセンブリー同定法を確立しようとした。小胞体・ゴルジ・分泌小胞にHRPあるいはHRPと同様の酵素活性をもつAPEX融合タンパクを発現させ、EMARS反応を行ったところ、各器官の近傍分子が標識された。さらに、分泌小胞に関しては17個の会合分子が質量分析により同定された。以上のことから、細胞内ににおいてEMARS法が適用可能であり、標識された分子は質量分析にて解析可能であることを明らかにした。
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