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2017 年度 実施状況報告書

単一ニューロンの活動記録と組織学的解析による大脳基底核機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K16569
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

小山 佳  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 研究員(任常) (50615250)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードラット / 線条体 / 大脳皮質 / 単一ニューロン活動記録・標識
研究実績の概要

前年度までの実験により、元来の目標である、線条体の細胞からの記録・標識実験は、線条体の位置や細胞のサイズなどから、現状の技術では効率的に実験を行うことが難しいことが明らかになった。そのため、線条体に密な投射を送り、行動の発現と抑制に大きな役割を果たしていると考えられる、前頭前野における細胞の記録・標識実験を行い、これらの機能における、前頭前野と大脳基底核をむすぶネットワークの役割を明らかにすることを目指した。
頭部を固定した動物に適切な行動の発現と抑制を要求する課題を訓練し、その内側前頭前野においてマルチ―ニューロン活動記録実験を行った。その結果、前頭前野の背内側部において、行動の適切な発現に関わると考えられる細胞が多く見出された。本実験結果を基に、申請者が開発した単一ニューロン活動記録・標識法を用い、これらの細胞の位置やその投射先を同定した。その結果、このような細胞の多くが、第3層、および5層に分布しており、またそれらの多くが、線条体の、特に内側部に投射を送ることが明らかになった。
これらの実験により、行動の発現と抑制に関わる前頭前野-大脳基底核ネットワークの一端が明らかになった。これらの成果をまとめた論文を現在執筆中であり、30年度中に投稿予定である。
また、上述の実験と並行し、マルチニューロン活動記録実験を効率的に行うための記録電極の開発も行い、Neuroscience Research誌にて発表した(Tateyama*, Oyama*, et al., 2017;*共同筆頭著者)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度までに実験の遂行及び論文の大部分の執筆は終えたものの、論文執筆の過程で実験試料の再解析が必要であることが明らかになった。そのため、補助事業期間を延長し、本研究の完遂を目指す。

今後の研究の推進方策

論文を執筆しつつ、共同研究者との打ち合わせを適宜行っていく。本年度内に論文を投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

論文の執筆が完了しておらず、論文の完成のためには共同研究者との打ち合わせ等が必要であると判断し、補助事業期間を延長し、旅費や論文の作成にかかる費用を次年度へと繰り越す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Robust, highly customizable, and economical multi-channel electrode for chronic multi-unit recording in behaving animals2017

    • 著者名/発表者名
      Tateyama Yukina、Oyama Kei、Shiraishi Masaru、Iijima Toshio、Tsutsui Ken-Ichiro
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 125 ページ: 54~59

    • DOI

      10.1016/j.neures.2017.07.003

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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