研究課題/領域番号 |
15K16578
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
苅谷 康太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (70634583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イスラーム / 西アフリカ / ハウサランド / ナイジェリア / ウスマン・ダン・フォディオ |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究実施計画では、大きく分けて、①ナイジェリアにおけるアラビア語写本調査、②学会等での口頭発表、③ウスマン・ダン・フォディオのアラビア語著作の写本校訂という3つの作業を課題として設定した。 ①については、8月下旬から9月中旬にかけて、予定通り、ナイジェリア国立文書館カドゥーナ分館での写本調査を実施し、数多くの資料を渉猟することができた。 ②については、5月23日に日本アフリカ学会第52回学術大会において、「『背教者』の奴隷化を巡るウスマン・ダン・フォディオの思想」と題する口頭発表を行った。また、報告者の所属機関である東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で12月10日開催された研究会においても、「19世紀初頭のハウサランドにおける不信仰者の分類」と題して口頭発表を行った。 ③については、研究実施計画に記した予定よりも早く、ナイジェリア国立文書館カドゥーナ分館で渉猟した4写本をもとに、ウスマン・ダン・フォディオのアラビア語著作『ハウサランドの無知者に関する裁定』を校訂し、英語の小論と翻訳を付して、学術雑誌『アジア・アフリカ言語文化研究』に投稿した(現在査読中)。 研究実施計画に記した課題については以上であるが、この他に、日本アフリカ学会誌『アフリカ研究』に投稿した「19世紀初頭の西アフリカにおける不信仰者の分類と奴隷化:ウスマーン・ブン・フーディーの著作の分析から」と題する論文が査読を通り、平成28年5月刊行の同誌に掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、学術雑誌への論文及び写本校訂の投稿は平成28年度の課題としていたが、ナイジェリアでの写本調査において予想を上回る数の資料の渉猟を実現できたため、平成27年度中にこれらの課題に取り組むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画に大きな変更はなく、平成28年度以降も、ナイジェリアにおける写本調査、学会等における口頭発表、学術雑誌への論文及び写本校訂の投稿を続けていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額があまり大きくなかったので(1,370円)、翌年度分として請求した助成金と合わせて研究に必要な資料の購入費に充てようと考えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
必要資料の購入費に充てる。
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