研究課題/領域番号 |
15K16582
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
浅田 晴久 奈良女子大学, 研究院人文科学系, 講師 (20713051)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | インド / アッサム州 / ブラマプトラ川 / 農村開発 / 農業技術 / 農村社会 / カースト / トライブ |
研究実績の概要 |
初年度にあたる平成27年度は、調査対象地域であるインド・アッサム州において現地調査を3回実施し、その合間に国内にてデータの分析ならびに研究会での発表を行った。 7月までに現地カウンターパートであるゴウハティ大学地理学科助教のニッタナンダ=デカ氏とメールで打合せを行い、第1回目の現地調査を8月17日から26日まで行った。本研究課題の目標はアッサム州の農業・農村の持続性を解明することにあるため、2006年に京都大学のグループによって全戸調査が行われたカムルプ県ムクタプル村を本研究でも調査対象とし、過去10年間の変化を探ることから調査を開始することにした。そのために村人にアシスタントとして協力を依頼し、無作為に抽出した世帯に対してアンケート調査を実施した。アンケート調査の結果は12月20日から29日まで行った第2回目の現地調査の際に回収し、その場でパソコンへの入力作業を行った。 これまでの調査でアッサム州では民族毎に外部技術の受容の度合いが異なることが明らかになっていたため、他民族の村落との比較を通して、在来ヒンドゥー教徒(アホミヤ)が暮らすムクタプル村の特徴を考察する必要がある。そこで本課題では調査村近隣に暮らすネパール移民の村落とボドの村落でも同様のアンケート調査を行うことにした。第2回目の現地調査の際に候補となる村落を訪問しアンケート調査の協力について依頼した。結果は3月25日から31日まで行った第3回目の現地調査の際に回収し、今後パソコンへの入力・分析作業を行う予定である。 現時点で得られた成果の一部は国内で開催された研究集会などで発表した。そこでは、アホミヤの村落は高学歴化や少子化が進行し、新たに農外ビジネスを始める世帯も増えている一方、土地所有や耕作形態はほとんど変化しておらず、村内の世帯の多くが村から離れることなく現金収入を確保している実態が明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査村落において村人からアシスタントの協力をとりつけることができ、彼らに依頼したアンケート調査により村内世帯の基礎情報を収集することができた。さらに複数の村落において比較調査を行う態勢を整えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに得られたアンケート調査の分析を進めるとともに、各村落においてサンプル世帯に対して農家経営状況や日常行動範囲、出稼ぎなどについてインテンシブな聞き取り調査を実施する予定である。
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