研究課題
東南アジア熱帯地域ては、森林資源は外資獲得のための商業伐採の対象となり、農地拡大のため急速な森林資源の劣化・減少が続いている。昨今は過剰な商業伐採に加えて、とくにアブラヤシなどのプランテーションの急速な拡大により、熱帯林を取り巻く環境が劇的に変化している。熱帯林減少による炭素放出は、地球温暖化への寄与も非常に大きく、熱帯林の保全はUNFCCCなどの国際会議の場でも喫緊の問題となっている。2015年12月に開催された UNFCCC・COP21パリ会議でパリ協定が締結され、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑えようという目標に合意され、森林の気候変動緩和/適応に果たす役割が期待されている。また国際的な森林保全の施策として「途上国における森林減少・劣化からの排出の削減(REDD+)」が2020年からの実施のフェーズとなる。それらの制度の導入地域で、急激な導入は利害対立なども予見されている。また2020年まで森林減少の半減をめざす「森林に関するNY宣言」が採択され、国や自治体、企業によるゼロ・ディフォレステーションの取り組み、REDD+や森林認証制度などの施策が一層推進されている。一方でそれらの制度の導入が大企業中心に進み、小農が取り残され、地域住民との新たな利害対立を引き起こすことがあきらかとなった。日本政府は開発途上国の温室効果ガス削減と気候変動の影響への適応を支援する基金であるGCFへ 15億ドルを拠出し、二国間クレジットメカニズム(JCM)によるREDD+支援も進めており、準国、国レベルへとスケールアップするにあたって制度を支える技術的、政策的な枠組みについての研究、そしてセーフガード、利益配分手法、成果支払い導入に際する地域住民への影響評価を行った。
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Sustainable Production and Consumption
巻: 18 ページ: 53-62
Human and Nature Interactions on the Plantation Frontier: An Ethnography of Anthropogenic Tropical Forests
巻: 1 ページ: 23