2008年グローバル金融危機から東日本大震災へ「二重の経済危機」を経験した日本の縫製産業の実態をジェンダー分析し、日本製の「低価格」かつ「高品質」の商品がどのようにして生み出されているのか、その競争力の源泉を女性労働力の特徴に着目し検討した。バングラデシュ、中国に加えて、日本国内の縫製工場、特に岩手県でのフィールド調査(インタビュー調査と参与観察)を重視し研究を遂行した。結果、①長期間継続就業している女性労働力の「技術」に対する貨幣評価が極めて低いこと(雇用形態や賃金水準)、特に、内職者が典型、②女性労働力の国籍が技能実習制度を利用することを通じて、多様化していることの2点を明らかにした。
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