本研究は、1970年前後のフランスの少女向けフレンチコミック(バンドデシネ[BD])掲載雑誌のコンテンツ分析を通して、日本の少女マンガ雑誌の隆盛の歴史と比較しながら、フランスの少女文化の形成と雑誌というメディアの関連を明らかにすることを目的とした。 実際の掲載内容を分析すると、日仏において、学校制度により少女向け媒体が発展していくという共通点が見られた。しかし、日本では男女の雑誌がテーマなどに影響を及ぼし合いつつ、それぞれが少年/少女マンガらしく消化された表現で展開されていった。それに対て、BD作品においては少女向けメディアが少年向けに取り込まれている傾向が見られた。
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