最終年度は、小児期、思春期、青年期における多様な性心理発達について、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)などにとどまらない、様々なセクシュアリティの成人当事者にインタビューを行った。その上で、さらにこれまでの研究で得た知見に基づき、社会的アウトリーチ活動として、そのインタビューの声を「先輩」として、LGBTかもしれない子どもたちとその保護者に向けた情報サイトを作成した。以下がそのURLである。
https://245family.jimdofree.com/
具体的には、多様な性を持つ子どもに大人がすべき対応、整えるべき学校環境、「先輩たち」も様々な行路を経て自らのセクシュアリティを現在体現しているということ、また、子ども向けの絵本や書籍、さらには、トランスジェンダーの子どもが求めるホルモン療法といった身体治療に関する情報などである。こうした情報をインターネットを通じて社会に周知することによって、当事者である子どもの周囲(大人)への啓発を目的とした。またこのような信頼性のある情報サイト運営を行うことで、今後のさらなる研究協力とその結果の還元といった循環を目指していく。 一方、2月から取得予定であった小学1年生のデータ収集や性別違和を持つ小児のデータ収集については、コロナウィルス感染拡大予防のために延期せざるを得なくなった。したがって、このデータ収集に関しては、次年度以降に研究費が確保されてから実施することにした。
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