地域資源の経済評価：観光による選好形成に着目した実証研究

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K16596
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 坂本 直樹 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (80367937)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 地域資源 / 観光 / 経済評価 / 費用便益分析

研究実績の概要

本研究の目的は、観光によって選好が形成される可能性に着目して、地域資源の経済評価を行うことである。観光は、訪れた地域の自然や文化、歴史などを知る機会であり、その地域に新しい価値を見出し、再び訪れるきっかけを与える。しかし、既存の経済評価では、選好が一定とされるため、こうした価値や行動の変化を計測できない。そこで、本研究では、第一に、選好形成を組み込んだ観光行動モデルの構築を行う。第二に、このモデルに基づく旅行費用法や仮想評価法を開発して、地域資源の便益評価を行う。第三に、この方法と整合的な応用一般均衡モデルを開発して、地域資源を活用した観光政策の費用便益分析を行う。
このうち平成29年度は、平成27年度に開発した観光行動モデルを平成28年度に実施したインターネット調査から得られたデータにより推定することを試みた。さらに、推定結果に基づく便益評価の枠組みを構築した。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

学内業務多忙により、当初予定したモデル推定とそれに基づく便益評価をとりまとめることができなかったため。

今後の研究の推進方策

モデルの推定はほぼ完了しているため、その最終確認を行うともに、地域資源および観光政策に関する便益評価や費用便益分析を実施し、その内容を論文にまとめ、学会報告または学術誌への投稿を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗が遅れており、予定していた学会報告などができなかったため。