いわゆる消極的安楽死(または尊厳死、すなわち延命的医療の中止や差し控え)が合法化された場合に生じうるデメリットについて研究した。合法化した場合、障害者や高齢者、低所得者といった社会的弱者が死にたくないと思っていても周囲から死ぬように圧力を受けるリスクがあるとする議論の妥当性を検討した。また、たとえ本人が死にたいといっていてかつそれ以上生きても本人の利益にはならないことが明らかと思われる状況でも、人の命そのものに価値が内在するため、依然として生命の破壊は許されないとする立場について検討を加えた。論文や書籍などの成果にまとめ、公刊した。
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