研究課題
若手研究(B)
本研究はイマヌエル・カントの国家法論における共和制の内実について、彼が影響を受けた哲学者との関係をふまえて解明することをめざした。その結果、1790年代に出版された法・政治哲学に関する一連の著作のうち、共和制の構想に変遷がみられること、すなわち「理論と実践」においてはルソー『社会契約論』の影響が色濃くみられるのに対し、『永遠平和論』『人倫の形而上学』では、彼自身の哲学を踏まえた独自の共和制概念を展開しており、国家法を一種の手続き的正義として論じていることが明らかになった。
法哲学・倫理学