研究課題
若手研究(B)
本研究は、宗教にまで高められた理念としての「人類」思想を主軸として、19世紀中葉のフランス社会思想の読み直しを図ることを目的とした。主対象はA.コント、P.ルルー、P.-J.プルードンの三者である。プルードンが人類思想の批判を通じて思想を発展させていく一方で、人類教を積極的に論じた論者も一枚岩ではなく、コントが過去の死者への崇拝を通じて社会の安定を図る一方、ルルーにとって人類とは領有しえない「無限」との邂逅の場であった。
社会思想史