本研究は、ヴァイマール期ドイツの保守革命的言説とプロテスタンティズムの関係を解明することを目指した。従来、保守革命論は反プロテスタンティズムであったと言われてきたが、両者の間には協力関係があったことが、以下の2点において確認された。1) 1917年の宗教改革400周年記念において、『タート』誌の著述家たちとリベラルなプロテスタンティズムが、保守的ルター派への反対において一致していた。2) シュペングラーの『西洋の没落』は宗教史学派の研究成果を通俗化したものであった一方で、この著作は1920年代のプロテスタント神学において交わされた「運命」についての議論に決定的な影響を与えた。
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