前年度より進めている、ギョーム・デュランティ著『聖務の理論』の装飾プログラムの研究を継続した。この装飾については、すでに携わった装飾画家の人数や作業分担方法などについて検討してきたが、それらの検討結果をさらに吟味・修正し、本年度11月にプリンストン大学で行われたシンポジウムでその成果を発表した。そこで得たフィードバックから、装飾の作業分担の区切りが、本出版物のその他の特徴(具体的には、印刷作業の区切り)と一致することが判明し、発表者の提示した説の蓋然性の高さを裏付けることとなった。現在はさらに考察を深め、とりわけ特異なケースである、本著作「第7書」冒頭の装飾に見られるバリエーションの解明を目指している。それを含めた最新研究結果を、海外のジャーナルに投稿するため、現在準備を進めている。
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