研究課題
最終年度では、これまでの研究成果をもとに、引き続き障害者を含む人々による即興表現ワークショップを実施し、関連活動の調査によって検証を行いつつ、研究成果をまとめ、学術大会、論文執筆、及び一般公開での対話の場を設けることによって成果を発表した。まず、前年度までの障害者を含む芸術活動の研究成果から、即興音楽の形態について、3つの即興演目を取り上げて障害のある人とない人の関係性について「第1回共創学会年次大会」及びインドネシアで開催された「URP Forum」にて発表を行い、社会包摂との関連から「15th World Congress of Music Therapy」で発表した。また、共生の美学という観点から即興表現の成り立ちについて考察した内容を、「日本音楽即興学会誌第2号」に『動いている音楽―ジル・クレマンの庭の体験から』というタイトルでまとめた。理論面については、コミュニティ音楽療法の理論的基盤である「健康ミュージッキング」の再検討を行い、臨床哲学の議論を参照した議論を『臨床音楽学研究試論:「音遊びの会」の事例を通して』という題目で「日本音楽療法学会誌」に投稿した。この研究成果は、「日本音楽療法学会第16回近畿学術大会ラウンドテーブル」及び「日本音楽療法学会第16回近畿学術大会講習会」においても発表した。また、「健康ミュージッキング」の理論に関わる重要な文献として、『絆の音楽性』の第16章「コミュニカティヴ・ミュージカリティとコラボレイティヴ・ミュージキングのはざまで-コミュニティ音楽療法からの展望」を単訳した。さらに、即興表現ワークショップの調査研究においては、前年度においては組織運営上の課題が浮かび上がったが、その成果に基づき対話活動を重視したところ、こうした活動に独特の価値観が浮かび上がった。この成果は、今後の課題として引き続き著書及び論文としてまとめる予定である。
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日本音楽療法学会誌
巻: 第17巻2号 ページ: 印刷中
Music Therapy Today: Special Issue 15
巻: Vol. 13, No. 1 ページ: 505-506
日本音楽即興学会誌
巻: 第2号 ページ: 12-29