本研究課題「生命科学をめぐる映像メディア論の可能性」は3年間にわたり、生命科学と映像メディアの関連性について、歴史・理論・実践という3つの側面から検討してきた。まず、歴史的側面としては、20世紀以降の生命科学の展開が物質的に映像メディアに支えられていたことを明らかにし、次に理論的側面として、デジタル技術以降の映像メディア論が生命科学の展開に着想を得るかたちで展開可能であることを指摘した。最後に実践的な側面として、現在に興隆を見せるバイオアートを具体例として、これまでの歴史・理論的調査を確認し、応用することで、生命概念が映像メディアとの交錯のうちで劇的に変化していることを明らかにした。
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