研究課題/領域番号 |
15K16674
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
神岡 理恵子 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (10454000)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ロシア現代アート / ソ連非公式芸術 / ソ連非公式文化 / 現代アート / 亡命ロシア文化 / 亡命ロシア人 / コンセプチュアリズム芸術 / ソッツアート |
研究実績の概要 |
今年度(H27)は、研究初年度でもあったが、以前から研究を継続していた部分を国際学会での口頭発表「Стратегия "документации" и "архивов" в проектах Московского концептуализма: О папках МАНИ」(ロシア語、The 9th World Congress of ICCEES)と、論文で発表することができた(「ワジム・ザハロフとモスクワ・コンセプチュアリズム――アーカイヴへの欲望とその埋葬への軌跡」『ロシア文化研究』)。調査に関しては、モスクワビエンナーレ開催年であったため、現地調査を実施し、関連資料も多数収集することができた。しかし今回のプログラムでは例年と比較して研究対象の領域・アーティストの展示が極端に少なく、調査対象者たちの聞き取り調査が思うようにはできなかったため、本年度は資料分析の方に重点を置いた。調査は次年度以降、強化して進める予定である。 また、研究を体系的に進めるために「ロシア現代アート研究会」を3名の研究者とともに立ち上げ、研究会を実施した。第1回研究会(2016年1月7日、早稲田大学)の発表内容と研究会メンバーは以下の通り。神岡理恵子「アーカイヴをめぐる二つの美術展―『アーカイヴM』(V.マムィシェフ=モンロー)と『Постскриптум после RIP』(V.ザハロフ)について」、河村彩(東京工業大学)「ソヴィエトにおける「アンダーグラウンド」芸術の実践」、鈴木佑也(横浜国立大学)「モスクワビエンナーレとメイン会場の関係性」、生熊源一(北海道大学大学院)「ソ連(非公式)芸術における人間像についての試論」。このほか、研究会では中長期的な研究計画と次年度の学会報告の内容等を議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象者たちからの聞き取り調査があまり進まなかったため、今年度は資料分析と整理、研究成果の発表の方に重点を置くようにした。国際学会での口頭発表と、論文での成果発表ができ、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目(H28年度)は、アメリカとロシアでの聞き取り調査と資料収集、研究者との打ち合わせを実施し、調査に重点を置いた研究を進める予定である。可能な限り、収集した資料の整理と分析も進めたいと考える。また、「ロシア現代アート研究会」での活動も定期的に実施し、とりわけ1970年代の後期ソヴィエト非公式芸術の研究を進めていく。ロシア文学会での口頭発表を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していたロシアへの出張期間を、学務等により確保できず、予定よりも短くなってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、アメリカとロシアでの調査を予定しているので、出張費用とその際の資料収集のために使用する計画である。
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