研究課題/領域番号 |
15K16674
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
神岡 理恵子 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (10454000)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ソヴィエト非公式芸術 / ロシア現代美術 / 亡命ロシア人 / ロシア芸術 / 現代美術 / エスノグラフィー / コンセプチュアル・アート / モスクワ・コンセプチュアリズム |
研究実績の概要 |
H28年度は、調査と成果報告の両面で研究を進めることができた。調査面においては、8月にモスクワの現代アートセンター「GARAGE」アーカイヴで充実した資料収集ができたとともに、主任への聞き取り調査を含め、関係する研究者たちとの意見交換においても貴重な情報を得ることができた。また現地で3名の美術作家への聞き取り調査を行ったほか、市内のいくつかの美術館でも課題関連の展示を見ることができた。9月にはニューヨークで4名の亡命芸術家へ聞き取り調査を実施した。近郊のZimmerli美術館では、課題に関連する大規模な展示を見たほか、アーカイヴにて資料収集と作品調査を行い、同館の研究者たちとも意見交換を行った。年度末の3月に再度、同館で展示と資料収集を実施したほか、スタッフと今後の共同研究に関する打合せも行い、ニューヨーク市内では芸術家1名、研究者1名への聞き取り調査を実施した。 一方、成果報告に関しては、国内で共同研究を進める「ロシア現代美術研究会」のメンバーと4回の研究報告会を実施したほか、10月には日本ロシア文学第66回大会でパネル報告「モスクワ・コンセプチュアリズム:活動とその理論化の「はじまり」を再考する」を行い、その中で個人報告を行った(「モスクワ・コンセプチュアリズム――始まりと生成」)。また9月に実施したニューヨークでの調査をもとに、論文「ソヴィエト非公式芸術におけるロシア・アヴァンギャルドの継承者──レオニード・ラムと初期の創作」を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
H28年度は、調査と成果発表の両面において、当初の計画よりも課題研究を進めることができた。国内の共同研究でも調査、資料翻訳、成果報告などを進めることができたほか、海外調査の際に構築してきた人脈で今後の共同研究のための機会を得ることができ、研究を進展させる見通しを立てることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度はまず、6月に韓国ソウルで開催される学会The 8th East Asian Conference on Slavic and Eurasian Studiesにおいて、韓国・ロシアの研究者らとパネル参加を予定しており、研究報告を行う計画である。また夏から秋にかけてはロシアでの聞き取り調査、モスクワ・ビエンナーレの調査を予定しているほか、秋以降はニューヨークとその近郊で少しまとまった聞き取り調査と作品調査を予定している。具体的な研究に関しては、年度の終わりには、次の段階である1980年代の分析に移行していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月の出張が当初の予定よりも短くなってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度に国際学会で報告することになったので、学会出張として使用予定。
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