本研究は戦後日本の大衆文化における〈青空〉表象に注目することで、それが占領期の民主化政策過程から胚胎された心情であることを明らかとした。その成果は次の通り:① 早稲田大学20世紀メディア研究所主催企画展示およびシンポジウム「雑誌に見る占領期」開催 ② 労働組合文化運動における機関誌の分析 ③ ホワイトカラー層の労組文化運動において〈青空〉が特徴的な表象として機能することの指摘。①については、戦後の出版文化を占領期から通時的に分析する視座を得ること、また広くその成果を社会に示すことができた。②については、戦後民主主義と〈青空〉表象の相関性を、労組運動に絞ることでより焦点化が可能となった。
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