研究課題/領域番号 |
15K16705
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森本 道孝 近畿大学, 経済学部, 准教授 (90581182)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | Sam Shepard / アンチエイジング / ロック音楽 / アメリカ演劇 / メディアミックス / マスキュリニティ / 老いと医療 / 医療と英米文学 |
研究実績の概要 |
現代アメリカ演劇に描写される「マスキュリニティ」と「老い」の当該研究を進めるにあたって、 2015年度に開催された日本アメリカ演劇学会のシンポジウム「メディアミックスの観点から読み解くSam Shepard」において発表した「抵抗のロック音楽―Sam Shepard作品に見るアンチエイジング志向―」の内容を、論文の形にまとめて、アメリカ演劇学会の機関誌『アメリカ演劇』に投稿中である。 また、アンチエイジングと医療の観点から、「カットと英米文学」との接続を考察する研究へと展開させる試みを企画中である。 このような英米文学、特にアメリカ文学の世界と、医療の世界を接続詞考察する試みは、学際的な研究の観点から見ても意義の高いものであるといえる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画通りに、アメリカ演劇の世界と「マスキュリニティ」と「老い」の観点からの研究は進めている。シンポジウムで発表した内容を論文として投稿中であり、その成果は間もなく出るものと思われる。この点では研究の流れはおおむね順調である。 しかし、主任就任など、学内および学部内の業務負担のバランスの変化による影響が大きいが、海外出張の日程調整がうまくいかず、実行に至っていない。この点では研究の進行はやや遅れていると言わざるを得ない。
|
今後の研究の推進方策 |
研究最終年度にあたるため、まずは海外出張による研究動向の調査及び文献調査を、これまでの年度の分と合わせて複数回実施したいと考えている。 これによって、当該研究への資料の反映などの充実を図ることができると考えている。 また、アメリカ文学全体を概観し、演劇のジャンルはもちろんであるが、小説や詩の世界へも目配りをして、幅広い観点から「マスキュリニティ」と「老い」についての考察を深めたい。 さらには、アメリカが抱える人種などの諸問題にも鑑み、白人作家であるSheaprdの作品考察に加えて、黒人作家やヒスパニック系の作家、さらには女性作家の作品についても分析対象としたい。これらをできる限り多くの媒体に論文として投稿し、研究成果を世に出すことを計画する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ニューヨークを中心とする海外出張を実行する計画であったが、主任への就任など急な学内業務の負担増加などでうまく進めることができなかった。 また国内の学会出張にも学内業務との重なりなどで参加することがかなわないケースもあり当初の計画よりも金額は少なくて済んでいる。 また、購入を予定していた書籍の書店(紀伊国屋書店)での在庫確認に思いのほか時間がかかり、届くはずのものが届いていない状況もある。次の図書の購入に進みにくい状況もあるので、これは改善したい。
|
次年度使用額の使用計画 |
最終年度ということなので、ニューヨークなどの海外出張を複数回企画し、研究資料の充実を図ることを必ず実行する。また、研究図書の購入の手続きをできるだけ速やかに進め、資料の充実を早めに図る。国内の研究者との研究会を実施するなど、研究に関する意見を求めるこのできる機会をこれまでより増やす。研究発表の機会や、論文投稿の機会を逃さず、成果を発表する。 以上の点を修正すれば、研究費の差額を補う形で研究を実施をすることは十分可能であると考えている。
|