研究課題/領域番号 |
15K16706
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
高村 峰生 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (90634204)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アメリカンモダニズム |
研究実績の概要 |
今年度はスティーグリッツ・サークルにおける芸術と彼らの触覚的認識のかかわりについての考察を進めた。また、このプロジェクト以前に進めていたD. H. ロレンスにおける触覚の問題とのかかわりがより明確に見えてきたので、本プロジェクトとの接続を図るうえでも、そちらの方の研究にも立ち戻りそれをより深めることとなった。前者については、ウォルドー・フランクやポール・ローゼンフェルドの著作を読み進めた。また、後者については、3月26日に福岡大学で催された第62回ホーソーン協会九州支部研究会シンポジウム「アメリカン・ルネサンスにおける情動と身体」にパネリストとして登壇し、・「"Destroy! destroy! destroy!”―D.H.ロレンスの『アメリカ古典文学研究』における破壊と無意識」という発表を行った。この発表はスティーグリッツ・サークルにも深い影響を与えたロレンスがアメリカをどうとらえていたかということを考えるための礎石となった。また、来年度5月に日本英文学会のシンポジウムでは、スティーヴン・クレインについて発表を行う予定で、この原稿を完成させた。ここではクレインが写真的なものをどのように作品に取り入れたかということを話すが、これは1900年前後におけるアメリカの大衆の写真の受容を踏まえており、スティーグリッツ・サークルの出現する背景についての知識を深めることができた。 また、9月19日から24日かけてはニューヨーク大学バッファロー校において、ウィリアム・カルロス・ウィリアムズやアルフレッド・スティーグリッツの手紙を調査することができた。短期間で十分な調査ができたとは言い難いが、今後の研究の基礎となる資料の収集を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査の対象がやや拡散してしまったきらいがあるが、ロレンス研究にしても20世紀初頭のアメリカ文学についても今後の研究に役に立つ基礎的研究を行うことができた。また、雑誌『ユリイカ』からの依頼でデヴィッド・ボウイについての論文を書いたが、ポピュラーカルチャーについての論文も少しずつ蓄積されてきたので、将来的には成果をまとめて書物として発表したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、調査の対象がやや拡散してしまっているので、今年度はより集中してスティーグリッツ・サークルの研究に取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査の補助を依頼しているが、謝礼の支払いが今年度に生じる。
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次年度使用額の使用計画 |
調査の補助を依頼しているが、謝礼の支払いが今年度に生じる。
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