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2016 年度 実施状況報告書

スティーグリッツ・サークルにおける触覚の表現

研究課題

研究課題/領域番号 15K16706
研究機関神戸女学院大学

研究代表者

高村 峰生  神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (90634204)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード触覚 / スティーグリッツ・サークル / 身体論 / モダニズム / モダニティ / アメリカ / ニューヨーク
研究実績の概要

昨年度はスティーグリッツ・サークルについて図書館資料の利用や購入した研究書の読解を通じて文献的な調査を進めるとともに、この研究の成果が一章として含まれる単著の執筆に多くの時間を割いた。その単著は、2017年2月27日発行の『触れることのモダニティ ロレンス、スティーグリッツ、ベンヤミン、メルロ=ポンティ』という書物として以文社より刊行された。この書物はもともと2011年にイリノイ大学比較文学科に提出した博士論文に基づくものであり、すべて英語で執筆されていた。それを日本語にして刊行したわけであるが、ただ邦訳したというにとどまらず、日本の読者や研究者のあいだで共有されているコンテクストが博士論文の時とだいぶ違っており、それを考慮に入れた慎重な執筆が必要であった。
スティーグリッツ・サークルについてはこれまで文学研究者による研究はアメリカ、日本問わず少ないが、この時期の触覚をめぐるイメージや言説の研究は、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、シャーウッド・アンダーソンなど、スティーグリッツ・サークルに直接に関わった作家たち、あるいは直接にはかかわらずとも同時代のアメリカ東部の作家のうち視覚芸術にも強い関心を持った様々な作家たちの作風に大きな影響を与えていることが分かった。そこで、これらの文学的な表現における身体表象に視野を広げ、研究を進めていたところ、当初の二年間という研究期間では足りなくなったため、さらに一年を延長して、当テーマをより包括的に探求していくことにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上にも記したように、当初計画していた研究の範囲について言えば、概ね順調に研究を遂行することが出来たと言える。しかし、さらなる研究範囲の広がりの重要性を感じ、研究期間を一年延長することとした。

今後の研究の推進方策

シャーウッド・アンダーソン、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズなどの著作のうち、前年度の著作において扱いきれなかった側面について、身体論的な立場から研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

研究テーマの広がりに伴い、当初二年の計画であったが三年に変更した。

次年度使用額の使用計画

書籍を中心とする物品購入、および大学夏季休暇期間中における海外の調査

備考

業績をまとめたページと刊行した著作を紹介するページ。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 「忘れられた人々」が思い出されるとき トランプ時代に読まれるシンクレア・ルイス2016

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 雑誌名

      ユリイカ

      巻: 2017年1月号 ページ: 164-171

  • [学会発表] 批評における「私」の位相」、「人文学と批評の使命 I」2017

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      神戸大学大学院人文学研究科若手研究者支援プログラム
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2017-03-14
    • 招待講演
  • [学会発表] D・H・ロレンスとジェンダー研究、あるいは「快楽」の問題2017

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      第3回センター研究会、奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      2017-03-10
    • 招待講演
  • [学会発表] "Can I be Real?: デヴィッド・ボウイにおけるフェイクとフェイム2016

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      表象文化論学会第11回大会、シンポジウム「デヴィッド・ボウイの宇宙を探査する」
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2016-07-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 燃え上がる枠組、消尽する描写―スティーブン・クレインにおける写真的無意識、近接性、死2016

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      日本英文学会第88回全国大会、シンポジウム「メディア、帝国、19世紀末アメリカ」
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2016-05-29
    • 招待講演
  • [図書] 触れることのモダニティ ロレンス、スティーグリッツ、ベンヤミン、メルロ=ポンティ2017

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      以文社
  • [備考] Curriculum Vitae

    • URL

      https://sites.google.com/site/mineotakamura/cv/

  • [備考] Tactility and Modernity 触れることのモダニティ

    • URL

      https://duras1999.wixsite.com/mysite

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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