研究課題/領域番号 |
15K16738
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武内 康則 京都大学, 白眉センター, 助教 (40725371)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 歴史言語学 / 契丹文字 / 契丹語 / モンゴル諸語 |
研究実績の概要 |
本研究の目標の一つである、データベース構築に向けたフォントの作成については情報学の専門家・字体デザイナーと共同で開発を進めている。契丹大字のフォントはほぼ完成しており、今年度は文献資料の電子化を進めてきた。現在70%程度の電子化を完了した。今後は、残りの資料の電子化を完了した後、契丹小字資料との比較研究を進めていく予定である。契丹語に関する研究では、漢字音写によって記録された契丹語の語彙に基づき契丹語の音韻特徴に考察を加えた。また、契丹語にみられる複数接尾辞について考察を加えた。これらは研究論文として発表した。また、日本の契丹文字研究家であった豊田五郎氏の遺稿をまとめ論文集として出版した。8月には中国内蒙古大学を訪問し現地研究者との交流を行い、近年の契丹文字資料の出土状況等について意見交換を行った。2015年10月より米国インディアナ大学にて在外研究を行っており、現地研究者との交流のもと契丹語の文法記述を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は予定していたモンゴル国の調査を行うことはできなかったが、中国内蒙古での現地調査を行うことができ、新資料の収集にも成功した。契丹大字フォントの作成もほぼ完了し、データベース構築に関しては予定通り順調に計画を進めることができている。契丹語の文法研究に関しては、昨年度より進めていた研究の一部を論文として発表することが出来た。今後も継続し、研究活動を進めていきたいと考えている。本年度は一定の成果を出せたとは言えるものの、契丹大字資料の電子化は予定していた以上に時間が必要であることが判明したため、契丹大字の解読や契丹小字と大字の比較研究などは予定通りに計画通り順調に進展したとはいえない。来年度は本年度十分できなかった活動も含め計画を進められるよう努力していきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の大きな変更は必要ではないが、契丹大字の電子化は予定していた以上の時間が必要であることが判明したため、より効率の良い文字入力方法の作成が必要であると考えている。入力プログラムの作成を進め研究課題に取り組んでいきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
契丹文字フォントの追加字形を発注する予定であったが、納期が予定より遅れることが明らかとなったため今年度使用することが出来なかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
昨年度発注することが出来なかった契丹文字フォントの追加字形の作成へ充当する予定である。
|