本研究の目的は、マダガスカル及び南太平洋の島嶼地域を中心とするオーストロネシア語圏で現地調査を行い、言語多様性と生物多様性の相互関係を考察することである。 これまで集めてきた基礎語彙や言語学をベースとした資料に加えて、現地の人々の人と自然の共生に着目し植物利用に関する資料収集につとめた。最終年度は、オセアニア島嶼国と同じ亜熱帯気候の島である鹿児島県奄美大島を新たな調査地として調査を開始した。人間の知の体系である科学と芸術はどちらも豊かな自然から生まれるものであるという考えに基づいている。マダガスカル、トンガでは主に植物の薬用利用に関して、何世代も前の伝統技術を口頭伝承により家族や社会から受け継ぎ今も実践している伝統医術師の協力を得て、映像資料を録画した。現地語と英語の字幕をつけた映像ドキュメンテーションを作成している(※肖像権や現地の知的財産権の関係から映像ドキュメンテーションの公開にはまだ時間を必要とする。)
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