上海語と台湾ビン南語の変調域がどのような言語単位であり、どのような要因によって形成されるのかを考察した。上海語の考察では、まず変調域が語彙的な声調とイントネーション的なバウンダリートーンの両方によって形成されていることを指摘した。また、上海語の変調域は二音節性を指向するフット的な特徴を強く持ちながらも、統語構造に非常に忠実に対応することも指摘した。 台湾ビン南語の変調域の調査では従来の研究で指摘されていたような韻律句と対応することを確認しつつも、焦点などの語用論的な要因が変調域の形成に影響を与える状況を観察した。
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