音素獲得のメカニズムは音声の音響音声的情報の処理と音素のカテゴリー情報の処理が相互に関連していると言われる。本研究では、fMRI課題に日本語に存在しないハンガリー語の2種類の母音の弁別課題を用いて、これらの機能が音素獲得で如何に働くか、そのメカニズムを明らかにする。被験者にはタブレットで行える音素学習課題を2週間家庭で行ってもらい、学習前、1週間後、2週間後にfMRI実験に参加してもらった。その結果、学習前に比べ学習1週間後で両側上側頭回の有意な賦活を認めた。学習成績も1週間後で上昇を認めた。以上の結果から、音素の学習中期には音響音声的情報が優位に機能していることを示唆された。
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