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2017 年度 実績報告書

室町時代以降における日本漢字音の再形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16760
研究機関神戸大学

研究代表者

石山 裕慈  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70552884)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード日本漢字音 / 呉音 / 漢音 / 整備
研究実績の概要

本年度の研究成果として、まず昨年度に実施した中世以降の「シウ(シユウ)」「シユ」の呉音形に関する口頭発表の内容を、論文の形にまとめたことが挙げられる(国語語彙史の研究37)。呉音資料で「シ(ユ)ウ」「シユ」のいずれが選択されるかについては、「韻学的な知識」「漢音との対比」「漢字音の一元化」など、様々な要素が絡み合っているというのが、この論文の骨子である。
この論文の中では、従来あまり着目されてこなかった資料「浄土三部経音義」の字音点も扱った。まとまった分量の字音点が見いだされる上に、年代を追うごとに呉音形の再形成も進んでいっていると思われたことから、全ての字音点を列挙・整理し、字音点分韻表という形にして基礎資料として提供することとした(神戸大学文学部紀要45)。
一連の研究を通して「漢字音の一元化」という流れに着目するようになっていたところである。従来は近代以降の特徴として論じられてきたものであり、昨年度の研究の中で現代日本語のあり方について考察し、現代に至っても一元化は完成していない見通しを示していた。本年度は過去のあり方に着目し、「論語」関連文献を主な題材として、呉音・漢音の複層性が機能していたとされている近代以前にあっても、すでに水面下では漢字音の一元化が進んでいたとする仮説を提示した。この内容については夏に研究会(東京大学国語研究室会)で発表し、論文の形でまとめたところである(国語と国文学・30年10月に刊行予定)。また、この論文では述べきれなかった点も含め、過去から未来に至るまでの日本漢字音の共存・再形成のあり方について、国際ワークショップで概要を示した(International Workshop on Humanities "New Perspectives in Japanese Studies Part 2")。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 浄土三部経音義の字音点分韻表2018

    • 著者名/発表者名
      石山 裕慈
    • 雑誌名

      神戸大学文学部紀要

      巻: 45 ページ: 39-99

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中世以降の「シウ(シユウ)」「シユ」の呉音形をめぐって2018

    • 著者名/発表者名
      石山 裕慈
    • 雑誌名

      国語語彙史の研究

      巻: 37 ページ: 229-246

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「漢字音の一元化」の歴史2018

    • 著者名/発表者名
      石山 裕慈
    • 雑誌名

      国語と国文学

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 「漢字音の一元化」の歴史に関する一考察2017

    • 著者名/発表者名
      石山 裕慈
    • 学会等名
      平成29年度東京大学国語研究室会
  • [学会発表] "Co-existence" of the two major Sino-Japanese systems(GO-ON and KAN-ON)2017

    • 著者名/発表者名
      石山 裕慈
    • 学会等名
      International Workshop on Humanities "New Perspectives in Japanese Studies Part 2"

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公開日: 2018-12-17  

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