【本研究の目的】本研究の目的は、ボリビア多民族国サンフアン日本人移住地における宗教生活語彙体系の記述である。この移住地は昭和30年に創設され、現在の日系人口は700名ほどである。そのうち約半数が長崎県出身者(とその子孫)であり、彼らのほとんどが〔カクレキリシタンを先祖に持つ人々〕である。この移住地の宗教生活語彙を記述した研究は皆無である一方、現在、移住者1世の高齢化が進み、年々亡くなる方が増えている。すなわち、「危機言語」的状況にあり、早急に調査・記述する必要がある。
【平成29年度(最終年度)の主な研究成果(3点)】 《1.移住地訪問調査の実施》平成29年12月24日(日)から平成30年1月8日(月)まで、移住地を訪問し、調査を実施した。今回の訪問では、本報告執筆者による当該移住地に関するこれまでの調査研究の全体および細部について、漏れや間違いがないか、聞き取り調査を通じた最終確認を行った。 《2.研究成果の公表》これまでの調査研究の成果の一端を、日本移民学会の年次大会で報告した。現在、研究成果の全体を、平成30年度中に著書として出版するため、出版社(編集者)の指示を仰ぎながら、原稿の執筆を進めている。 《3.新たな研究展開》1.に記した移住地訪問では、概ね20代から30代の移住地の「青年」たちとの交流機会を複数回持つことができた。当該移住地では、1世の高齢化が進み、様々な局面で2世・3世への世代交代が進んでいる。そのような状況下にあって、移住地の「青年」たちと親しくなれたことは、今後の研究展開を考える上で、大きな意味を持つだろう。他方、前年度に続き、本年度も、トランジットの機会を利用して、ブラジル・サンパウロの長崎系カトリック・コミュニティーの方々と交流の機会を持つことができた。これにより、平成30年度より4年計画で実施する新たな科研費による調査研究の足場を組むことができた。
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