研究課題
若手研究(B)
日本語史には形式名詞が文法化して文法要素となる構文変化がいくつか指摘されている。本研究では、その種の構文変化における多様性を歴史的・地理的観点から明らかにした。具体的には、名詞ギリ・キリを共通の由来とする文法形式として、中央語における副詞節を形成するギリ、鹿児島県甑島里方言に見られる条件形式ギー、愛媛県東予方言における限定の副助詞ギリを取りあげ記述分析し、変化の過程を考察した。その結果、これらはある一定の段階までの変化は共通するが、最終的な文法化の度合いは三地域でそれぞれ異なることを指摘した。
日本語学