消滅危機言語である八丈語の記録・保存・継承のため、収集した音声にテキストと標準語訳(逐語訳と意訳)のほかアノテーションを加え、音声談話資料として整備することで、八丈語研究のインフラ整備を行なった。併せて先行研究の記述を確認し、現在の八丈語の状況について個人差や地域差を含めバリエーション実態を把握する調査を行なった。その成果を基に、文法記述の精緻化を行ない、用言の活用体系の記述や代名詞の体系記述を見直し、新たに記述を加えた。また、言語継承の観点から、音声談話資料を教材として活用するため一般島民や学習者向けに紙芝居や会話集・資料の作成を行ない、ドキュメンテーションとして記録し映像化した。
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