研究実績の概要 |
研究最終年度は、前年度に実態を明らかにした機能語から成り立つフレーズが文中で内容語のように振る舞い、意味的に必要不可欠な要素のように振る舞う脱文法化を生じさせていることを調査し、脱文法化へどのように発展したかを以下の2点の方法で解析した。 ①新しいフレーズが脱文法化を生じさせているかどうかのテスト:本研究で明らかにした機能語から成り立つフレーズがと申請者がこれまで実態を述べたフレーズ(be on against, be in and out, be in to, in and of, until to, up until to, 詳細はInoue 2011, 2012など)が脱文法化を生じさせているか、各フレーズに対応する内容語を用いて置換テストを行った結果、脱文法化を生じさせていることを述べた。 ②新しいフレーズの脱文法化への発展の順序解明:①で脱文法化現象を起こしていることを明らかにしたフレーズは、文法化現象と類似して脱文法化を生じさせるにあたって順序があることを、文法化現象の方向付けを参考にしながら解明した。 上記の研究成果を、国際専門雑誌や学会発表を通して発表を行い一定の評価を得ることができた。その結果、フレイジオロジーと脱文法化の研究発展に貢献することできたと考える。
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