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2017 年度 実施状況報告書

形態と音韻の相互作用が第2言語の語彙処理にもたらす効果

研究課題

研究課題/領域番号 15K16781
研究機関関西学院大学

研究代表者

早川 杏子  関西学院大学, 日本語教育センター, 講師 (80723543)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード音韻 / 形態 / 日中二字漢字語 / 聴覚・視覚オンライン処理
研究実績の概要

本研究の研究課題である、第2言語の習得に影響すると考えられる第1言語と第2言語間の形態と音韻の異同が、聴覚面および視覚面の認知処理にどのような影響を与えるのかを明らかにするため、29年度は、27年度に行った中国での現地調査によって得た日中二字漢字語の主観的音韻類似語のリストから、日中間に存在する字順が交替した語(Inversion語;e.g. 短縮―縮短)に焦点を当て、上級レベルの中国人日本語学習者に音声呈示および文字提示による認知処理実験を実施した。この実験によって得られた結果は、2017年12月に第二言語習得研究会(全国大会)の口頭発表にて報告した。
また、第2言語学習段階も、語の認知処理の重要なファクターとして勘案し、同実験を初級レベルの中国語を母語とする日本語学習者にも実施しており、現在も継続中である。
その他、28年度に取り組んだ日中二字漢字語音韻データベースは、主観的音韻類似指標と客観的音韻類似指標とのズレを調整し、より精緻なデータとすべく、調整中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が平成27年9月に所属を移り、業務多忙で研究体制が整わず、実証実験を行うことが困難であったが、今年度はいくつかの実証実験を実施することができ、日本語教育関係に関わる全国規模の研究会にて、成果発表を行うことができた。しかしながら、当初の目的と照らし合わせると検証は未だ不十分であり、研究目的をより精緻に達成するためには、さらなる実験調査を通して、検証を行っていく必要があると考えられる。

今後の研究の推進方策

研究目的をより精緻に達成するためには、さらなる実験調査を通して、検証を行っていく必要があると考えられるため、延長申請を行い、次年度には日本語と中国語の間に形態的・音韻的なズレのあるその他の語にも焦点を当て、中国語を母語とする日本語学習者への調査実験を実施する。そうした調査実験等から得られた知見は、日本語教育関係の論文誌への投稿、学会・研究会での発表を通して、成果を広く報告する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
平成29年度は、当初想定していた研究可能なエフォート率が、研究機関の業務多忙から研究に十分に配分できず、計画に遅延が生じ、実証実験は行ったものの、検証を行い得るだけの十分条件の実施には至らなかった。そのため、データ入力補助等の人件費、成果発表に係る旅費等が縮小する結果となった。
(使用計画)
延長分である平成30年度は、本課題の目的を達成すべく、継続して複数の調査実験を行い、それに伴うデータ入力や実験補助等の人件費および協力謝金に補填する。さらに、この成果を日本語教育関係の学会・研究会での発表するため、あるいは課題に関連する国内外の学会・研究での情報収集のために係る旅費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 中国人日本語学習者を対象とした字順の異なる日中漢字語の認知処理-日本語母語話者との比較から-2017

    • 著者名/発表者名
      早川杏子
    • 学会等名
      第28回第二言語習得研究会(JASLA) 全国大会
  • [学会発表] 日中対照漢字二熟語データベースの構築と語彙特性の分析に関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      小森和子・早川杏子・李在鎬・玉岡賀津雄
    • 学会等名
      2017年度日本語教育学会秋季大会

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公開日: 2018-12-17  

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