本研究では、様々な日本語学習者及び日本語母語話者が助詞に関わる処理を行っている最中の1:行動レベル、2:認知(神経)心理学的レベル、そして3:神経生理学レベルの3領域を架橋し脳反応データから内的処理を明らかにする計画だった。言語処理に関わるこれらの知見が集まっている発達性ディスレクシアの事例を参考に研究を進めた結果、言語処理に関わる神経心理学的検査を用いることが日本語習得の内的プロセスの予測に有用だと判明し、様々な母語を持つ日本語学習者に対しても検査可能な体制を構築した。また、検査結果と日本語学習との関連を調べた結果、助詞習得に留まらず、日本語コースでの学習の成否とも関連があることが示された。
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