平成29年度の計画は、高校での実践研究の成果も踏まえて、過去二年の実践研究の結果を理論的に検証し、必要性に応じて最終の実験を行い、理論と実践の整合性を確認したうえで、高大接続技能統合型シャドーイング法の提示をし、外部発信することであった。研究は予定通り進み、まず、過去二年間の研究成果についての理論と実践の整合性を確認し、シャドーイングのリスニング向上のための使用法とスピーキング向上のための使用法についてまとめ、外部発信として研究発表を行った。アウトプット型シャドーイングとしては、発音記号を利用したシャドーイング法(IPA-Shadowing)や、音声認識アプリを使用したシャドーイング法、また抑揚を体験的に獲得するために、ジェスチャーを交えて行うシャドーイング法(Haptic-shadowing)を開発した。これらは高校生にワークショップ形式で行い、実用性も確認している。加えて、アウトプットを目的とした際、相手の発話を理解するリスニング力が必要であるが、相手が現代ではネイティブスピーカーを含め、様々な種類の英語を話す人である。そのため、過去二年の研究から、その重要性にも気付いたため、補足課題として、そもそもの発音に対する学習者の認識調査とそれに適応できるシャドーイング法の開発にも取り組んだ。学習者の発音に対する認識と、それに対して本来あるべき認識のずれを確認し、同時に、多様な発音に対応する事ができるシャドーイングの機能を確認した。
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