研究実績の概要 |
本研究は、日本人英語学習者が英語で俳句を作成することにより、どのように自己表現力を養っていくことができるかを実証的に検証し、最終的には日本人に適した英語ライティング指導法を構築することを目的としている。本研究3年目である平成29年度は、追加でデータ収集を行う一方で、過去6年間(平成23年度ー28年度)に収集したすべてのデータの転写作業を完了した。結果として、日本人大学生738名によって作成された7348個の英語俳句からなるコーパスを作成することに成功した。
また、今年度はデータ収集・集計作業を進める一方で、転写作業が完了している一部のデータを用いて、日本人英語学習者の「感情表現のパターン」を言語学的に分析した。大学1年生95名が作成した英語俳句に注目し、研究参加者が俳句の中でどのように自分の気持ちを表現するのかを検証した。結果としては、感情表現のパターンは6種類に分類され、日本人英語学習者が自分の気持ちを表現する際、体の部位を表す単語 (e.g., heart, body, hand)、色を表す単語 (e.g., white, blue, red)、感情を表す単語 (e.g., cheer, happy, pleasant)、気温を表す単語(e.g., hot, warm, cold)、身体的な反応を表す単語 (e.g., smile, cry, laugh)、知覚過程を表す単語 (e.g., feel, look, see)を使用することがわかった。特に、この研究では、日本人英語学習者は、俳句の中で体の部位を表す単語を頻繁に使用する傾向が見られた。
|