研究課題/領域番号 |
15K16794
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
天野 修一 静岡大学, 大学教育センター, 特任助教 (70734177)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 音声単語認知 / 強勢 / 英語学習者 |
研究実績の概要 |
英語学習者の音声単語認知における統語情報と音韻情報の役割を検証し、音声単語認知の理論と教育への示唆を得ることを目的として進行中の本研究課題の初年度は、研究の方法論の問題に取り組むことから研究を開始した。実験課題としては予定通り時間制限付き品詞判断課題を用いることとし、まずは予備実験の準備に取り掛かった。具体的には、まず必要な設備(コンピュータ、マイク、ヘッドフォンなど)を整え、そのうえでデータ収集のために必要な実験プログラムの作成を行った。また、それと並行して、予備実験で使用される実験刺激の選定、音声の吹込みと録音、編集作業も行った。準備が整ったところで、予備実験の実施してデータの収集が行われ、その後は実験結果の分析に時間を費やした。この予備実験はデータの収集方法、分析方法が本研究の目的にかなうものであるかどうかを改めて確認し、今後の研究の実行可能性の再検討も含め、最終的に扱う本実験の細かな方針を決定するために必要なものであった。予備実験が予想よりも順調に進んだため、予定よりも早く予備実験の結果の分析と検討も行うことができた。分析の結果としては、申請時の予測にほぼ沿うものとなっており、時間制限付き品詞判断課題は英語学習者の音声単語認知における語強勢の典型性効果を検証するうえで適切な課題の一つであることが確認された。そのため計画通りに研究課題を進行していく方針が決まった。また本実験のデータ収集にも一部取り掛かることができた。残りの本実験を完了させることが2年目の第一の課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に予定していた通り、予備実験を完了させることができた。また2年目に行う予定であった予備実験の分析や、本実験にも一部取り掛かることができた。発表や論文執筆に向けた準備に取り掛かるところまでは達しなかったが、おおむね当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の計画としては、まず残りの本実験の詳細なスケジュールを作成し、実験協力者を募り、完了させることが第一の課題となる。その後は国際学会での発表や論文執筆の準備に取り掛かる。本実験の進捗状況によっては、年度末に行うことを予定していた学会発表や論文の執筆を前倒しして行うことも選択肢の一つである。現在のところ、実験協力者が思うように集まらないという可能性は低いと考えているが、もしそのような状況に陥った場合には、国内の他の大学に遠征して実験協力者を得て、実験を行うことを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由の主なものは、実験協力者の募集が予想よりも順調に進んだことである。現在の所属先で実験協力者の募集を行うのが初めてであったことから、どの程度募集ができるか見通すことができず、国内他大学への様々な対策の必要性を見込んでいたが、そのような必要性はなかった。また、実験の実施も順調に進んだため、実験補助員を雇用する必要性も生じなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度からの繰越金については、学会参加のための旅費や論文の英文校閲費用が、見積りよりも多くなる可能性にも備えるための予算とする。
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