研究実績の概要 |
平成27年度は,(1)大学生英語学習者向けのデジタル教科書・教材に期待される機能や操作性に関する調査,(2)ヨーロッパ言語共通参照枠(以下,CEFR)に準拠した教材および題材の検討,(3)動機づけ理論を踏まえた教材設計,(4)教材コンテンツの作成,(5)教材コンテンツのデジタル化,(6)デジタル教材の効果的な配信方法に関する基礎調査をそれぞれ行った。 (1)大学生英語学習者向けのデジタル教科書・教材に期待される機能や操作性に関する調査では,文部科学省が2015年に公表した「デジタル教科書」に関するアンケート調査結果(小学校・中学校編, 高等学校編)および「教育の情報化ビジョン」(文部科学省, 2011)にあげられている「デジタル教科書・教材,情報端末に期待される機能の例」(p.19)を参考に質問項目を作成し,大学生英語学習者を対象にしたアンケート調査を実施した(N = 57)。このアンケート調査の結果を踏まえ,(2)CEFRに準拠した教材および題材の検討,(3)動機づけ理論を踏まえた教材設計を行い,平成28年度中に有用性調査を行うべく,(4)教材コンテンツの作成に着手した。(5)教材コンテンツのデジタル化においては,iBooks Author(Apple社)および InDesign(Adobe)を利用し,上記(4)で作成した教材コンテンツおよび過去の研究において開発したデジタル教材をそれぞれマルチデバイスで閲覧可能な .epub形式のファイルとして発行するための作業を進めた。また,早稲田大学理工学術院エンリケズ・ギエルモ氏の協力を得ながら,デジタル教材に同期することが可能なHTMLウィジェットの開発を進め,動作確認を行った。さらに,当初の研究計画では最終年度に予定していた(6)デジタル教材の効果的な配信方法に関する基礎調査として,サーバーを介したコンテンツ配信の実験を行った。
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