研究課題/領域番号 |
15K16806
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉田 諭史 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 講師(任期付) (00608838)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | デジタル教材 / 教材開発 / CALL / 自律学習 / ICT / 動機づけ / CEFR / アクティブラーニング |
研究実績の概要 |
平成30年度は,6月に「学校教育法等の一部を改正する法律」が公布され,小中高の授業において従来の紙版教科書とデジタル教科書の併用が認められたり,12月には文部科学省から「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」が公開されたりするなど,デジタル教科書および教材の位置づけに大きな変化が生じた年であった。また,同年2月には,本研究を開始した当初から参考にしているCEFRのCompanion Volumeが公開された。これらの事情により,今年度は研究計画を一部変更し,まずは本研究で開発を進める「デジタル教材」の位置づけについて再度検討を行った。その際,デジタル教科書および教材に関連した研究成果のみならず,第二言語習得や教材開発,アクティブラーニングに関連した研究成果の他,自身が前年度までに実施したデジタル教科書および教材に期待される機能や操作性に関するアンケート調査の結果などを踏まえ,今後の教材開発方針について検討を行った。 また,上記の作業と並行して,教材コンテンツの充実を図るべく,新規コンテンツの開発や過年度までに開発した教材のアップデート等を行った。さらに,教室内での教材活用方法について検討すべく,大学の普通教室内においてモバイルルーターやタブレット端末,既存のアプリケーション等を利用したネットワーク環境を構築し,実際の授業内における運用可能性について調査を行った。その結果,比較的簡易的なネットワーク環境であっても,円滑に教材を利用できる可能性が示唆された。この結果を踏まえ,大学の普通教室においてアクティブラーニング型授業を実践する際に有用なデジタル教材の機能等について検討を進めた。また,今後デジタル教材を利用した英語学習における学習者の動機づけを調査するための予備調査として,ICTを活用した英語授業における学習者の動機づけ変動に関する分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度は,6月に「学校教育法等の一部を改正する法律」が公布され,12月には文部科学省から「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」が公開されるなど,デジタル教科書および教材の位置づけに関して大きな変化が生じた年であった。そのため,本研究における「デジタル教材」についても一度再考する時間を要したため,当初の計画よりも若干の遅れが生じた。上記の理由から,補助事業期間の延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度(令和元年度)は,平成30年度中に再考した教材開発方針にもとづき,コンテンツの充実を図るとともに,自律学習を促進するデジタル教材の設計および活用方法について検討するための実験・調査を実施する。さらに,デジタル教材を活用することで生じうる学習習慣の変化等について検討するための調査を実施する。最終的には,これまでの研究成果を統合し,本研究において開発したデジタル教材をより効果的に利用する方法について検討するとともに,国内外の学会を通して提案を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画に変更が生じ,予定していた成果報告のための出張等がキャンセルとなったため,補助事業期間を延長することになった。そのため,次年度使用額が生じる結果となった。当該の助成金については,平成31年度(令和元年度)中に予定している成果報告等の際に使用する予定である。
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