研究課題/領域番号 |
15K16815
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研究機関 | 大阪観光大学 |
研究代表者 |
後藤 敦史 大阪観光大学, 国際交流学部, 講師 (60710671)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 測量 / 海図 / 幕末 / 外交 / イギリス / アメリカ |
研究実績の概要 |
研究成果としては、まず、2016年5月29日に歴史学研究会大会近世史部会で研究報告を実施した。「幕末外交と日本近海測量」と題したこの報告では、アメリカ、およびイギリスの日本近海測量に着目しながら、幕末外交の特質とその変遷の過程をたどった。2015年度における研究成果をも踏まえたものであり、本課題にとっては、いわば中間のとりまとめとも言い得る。また、この大会での報告成果をふまえて、『歴史学研究』950号に、同タイトルで論文を発表している。なお、大会報告の準備の過程で、山口県文書館が所蔵するイギリス海軍製作の日本近海の海図や、横浜開港資料館が所蔵するイギリス関係史料の複写(写真帳。原書はイギリス国立公文書館所蔵)の調査もおこなっている。 一方、イギリス海軍による海図に関しては、まだ調査すべき多くの課題が残されていた。そのため、2017年3月には、10日間ほどかけて、イギリス国立公文書館(ロンドン)での調査を実施した。海図のほかに、イギリス海軍の関連史料の調査をおこない、日本を含む東アジア近海測量に関する史料を収集することができた。本課題にとって最終年度にあたる2017年度においては、イギリスで収集した一次史料の読解を着実に進めながら、成果の最終的なとりまとめを目指していきたい。 なお、2016年度には、参考すべき二次文献の収集・読解についても順調に進めることができた。先行研究の調査過程で、測量に関して調べるためには幕末維新に限らず、近現代史全体の史料を収集する必要があることが分かってきた。2017年度には、より幅広い文献収集によって、本課題の研究成果をより長いタイムスパンのなかに位置づけることを心掛けていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の初年度にあたる2015年度においては、当初計画していた海外調査が実施できなかったが、二年目の2016年度には、イギリスでの調査を実施することができた。海外での史料収集も含めて、研究のうえで読む進めるべき一次文献、二次文献について、おおむね順調に収集できており、また計画に沿って読解も進んでいると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度においては、イギリスで収集した一次史料の読解を進めていく。それとあわせて、より幅広い二次文献の収集にも努め、本研究課題を世界史のなかに位置づけることを目指していく。イギリスまたはアメリカでの一次史料の収集もあわせて実施したいと考えているが、本務の都合等で困難な場合には、横浜開港資料館が所蔵する海外史料の複写を利用するなどの対応をとる予定である。
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