大和王権は支配下に入った各地方の有力氏族を国造に任命し、その支配権を保障する代わりに労働力・軍事力・物資等を提供させた。これが国造制と呼ばれる制度である。列島内には約135の国造が設置されたが、そのうち約40%はいかなる氏族が任命されたのかが特定できていない。そこで本研究では、古代の史資料から国造・部民・屯倉に関する情報を網羅的に収集してテキストデータを作成し、これを活用して従来不明であった国造に任命された氏族の特定を行った。そして、国造制が施行された歴史的前提、国造制の成立・展開過程、国造制と部民制・屯倉制との関係の一端を明らかにし、6~7世紀における地方支配制度の総体的把握を試みた。
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